室外機はなぜ汚れるのか?
基本的に、エアコンの室外機はメンテナンスフリーを前提として設計されています。とはいえ、室外機は外に置かれているため、雨風にさらされることで汚れてしまいがちです。設置場所によっては、土や綿などのホコリ・クモの巣や虫の死骸・ペットの毛などで汚れることもあります。
室外機は、自然現象と周囲の環境の影響を受けやすい場所に設置されることが多いため、そのままにしておくと汚れてしまうのです。
室外機の汚れを掃除するといいことばかり
室外機が汚れていても、室内の空気が不衛生になることはありません。エアコンの空気は室内機から室外機への一方通行であるため、室外機から直接部屋に入ってくることはないからです。
しかし、室外機にホコリが詰まっていると、エアコンの熱の排出効率は悪くなってしまいます。排出効率が悪くなると、電気代が高くなるだけでなく、負荷による故障やエアコン自体の寿命を縮めてしまいかねません。急に電気代が高くなったと感じたなら、そのタイミングで室外機を掃除してみることをおすすめします。
<室外機を掃除した方がいい場合>
・ホコリなど異物による目詰まりがある
・室外機本体に苔が生えている
・異音がする(汚れで負荷がかかっている)
・電気代が急に高くなった
室外機の掃除方法
自分でできる室外機の掃除は、基本「外側」の汚れを取り除いていく作業になります。自ら室外機を分解すると、不具合や故障の原因になってしまうだけでなく、怪我をする可能性もあり、とても危険です。室外機の内部まで掃除したいときは、プロの業者に依頼するようにしましょう。
自分でできるエアコンの室外機の掃除方法とその手順
自分で室外機を掃除するときは、次の順番で行なってください。
1.外側全体の異物の除去
室外機の隙間に枯れ葉やビニールゴミ、クモの巣などが挟まっていれば、丁寧に取り除いていきます。その際、エアコンの電源を切り、室外機が完全に停止したことを確認してから始めるようにしてください。軍手の着用した上でほうきを使えば、作業がはかどるだけでなく、怪我をする心配もなく安全です。
2.吹き出しグリル
吹出しグリルとは、室外機正面の大きなファンを保護している風向調整板を指します。正面の風の吹き出し口になっている網目状の部分は、特に汚れが付きやすい箇所です。細かな部分は、使い古した歯ブラシなどで汚れをかき出し、最後に掃除機で吸い取ると上手に汚れを落とすことができます。
通常の掃除機が届かない場合は、ハンディタイプのコードレス掃除機を使いましょう。
3.フィン(金属板)
室外機の裏側や側面に付いている薄い金属板は、フィンと呼ばれています。フィンは熱の交換を行う室外機の中枢を担う部位であると同時に、構造的に隙間に汚れが詰まりやすいのが特徴です。
フィンに汚れが付着しているとエアコンの運転効率が下がってしまい、結果的に電気代が高くなってしまいます。フィンにゴミが溜まっている場合は、歯ブラシや掃除機などで丁寧に掃除していきましょう。ただし、フィンはアルミ製のため、弱い力によっても変形してしまうほど繊細です。
多少の変形は問題ありませんが、大きな変形は動作不良の原因になるので、なるべく衝撃を与えないよう慎重に作業してください。目に見える部分がキレイになれば、フィンのお掃除は完了です。
4.ドレンホース(水抜き穴)
室外機から伸びているホースは、ドレンホース(水抜き穴)と呼ばれています。ドレンホースは、エアコン内部に発生した水分を外に流出させるために設置されているパーツです。
ドレンホースが詰まってしまうと、適切な排水ができなくなってしまい、水漏れや故障の原因となることがあります。ホースの中を確認し、ゴミや異物が詰まっているようなら、こまめに取り除いておきましょう。
5.室外機の周辺
室外機掃除のあとは、室外機周辺の掃除も忘れないようにしましょう。周辺に枯葉やゴミなどがたまっていると、冷暖房効率が悪くなり電気代が余計にかかってしまうことがあるからです。
植木鉢や自転車などを周辺に置くこともよくありません。また雑草が生えている場合も、目詰まりの原因になるのできちんと刈り取っておきましょう。
それでも室外機に汚れが残ってしまった場合
室外機全体に、ほうきでは取り切れないような泥やスス汚れが残った場合は、中性洗剤を使用して丸洗いするのがおすすめです。室外機は屋外仕様なので、水をかけて故障することはありません。
※ただし、通常の雨では考えられないような水のかけ方をすると、故障の恐れが生じてしまいます。
自分で掃除するときの注意点!
1.作業前は必ず電源を切る
つい忘れてしまうのが、作業前にエアコンの電源をオフにすることです。掃除中にエアコンが動き出すと大変危険ですので、電源を切ったあと室外機が完全に止まったかどうか必ず確認してください。
2.足腰への負担に注意
室外機は地面に置かれていることがほとんどであるため、どうしてもかがんで作業しなければなりません。かがんだ姿勢を長時間続けていると、体には、かなりの負担となってしまいます。とくに足腰の弱い人は無理せず、適度に休憩しながら作業するようにしましょう。
3.完全には汚れは取り切れないと自覚しておく
自分でできる室外機の掃除は、基本的に外側の見えている範囲に限定されてしまいます。内部の汚れもそうですが、室外機の汚れは完全には取り除けないと自覚しておくことが大切です。繰り返しになりますが、内側の汚れまでキレイに落としたい場合は、プロの業者に相談することをおすすめします。
家庭でできる室外機の汚れ防止策
家庭で室外機の汚れを予防するには、普段から室外機の外側や周辺のホコリやゴミを除去しておくことが最善策です。室外機全体に水をかけてホコリを落としたあと、雑巾で乾拭きしておくことも汚れ防止の効果が期待できます。『室外機カバー』を使って、室外機に汚れが付着するのを防ぐ方法もおすすめです。
周辺に物を置かないだけでも室外機の掃除がしやすくなり、汚れのリスクそのものを減らすことができます。
また、室外機の掃除に向いている時期ですが、エアコンを使い始める6月と11月がおすすめです。その時期は業者にエアコンクリーニングを依頼する人が増えるので、クリーニングしたい人は早めに手配しておきましょう。
この記事のここがミソ!
・室外機は自分で掃除できる
・ただし分解は厳禁!内部の掃除はプロに任せる
・室外機周辺の普段の掃除が、結果的に室外機を汚れから守る
エアコンの室外機は室内機と違って、取り外し可能なフィルターなどの部品はありません。そのため、どうやって掃除をすればいいのか分からず、困ってしまう人も多くなりがちです。そんなときは、今回ご紹介した掃除のやり方・手順で、自分にできる範囲の室外機掃除を徹底していくよう心がけましょう。
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