カーテンがびしょびしょ。窓に結露ができる仕組みって?
結露とは、冷えた物体の表面によって、空気中の水蒸気が冷やされ水滴となって付着する現象を指します。これは、乾いたグラスに冷えたビールを注ぎ込んだ時、グラスの表面に水滴が付くのと全く同じ原理です。
外の温度が下がる冬は、窓やサッシが冷やされてしまいます。ビールで冷やされたグラスと同じ状態です。しかし、部屋の中はエアコンなどで暖かくなっているので、室内外の温度差が大きくなった結果、室内側の空気中の水蒸気がガラスについて結露となります。
窓の結露を放置するとカーテンなどのカビの原因に
サッシや床
窓の結露を放置していると、表面の水滴が徐々に下へ流れ落ち、サッシや床の上に溜まっていきます。濡れた状態が続くと、サッシや床が傷んでしまうだけでなく、湿ったところからカビが発生します。
カーテン
特にカーテンは窓との距離が最も近いので、結露の影響をダイレクトに受けてしまいます。衣類と同様、カビが発生しやすくなる条件である「栄養(繊維素材)」「水分」「温度」が揃っているので、気がついたらカビがあっという間に増殖していることも。
家具やエアコン
カビは、成長すると空気中に胞子を飛散させ、ほこりや水蒸気などに付着して空気中を移動します。 結果、カーテンに限らず家具や壁、床、エアコンなどといった部屋中のあらゆる物に付着し、増殖していくのです。
カビは悪臭を放ち、景観を害するだけでなく、ぜん息などアレルギーを誘発し、人体に対して悪い影響を及ぼすリスクもあります。
カーテンのカビを未然に防ぐ!おすすめ結露対策9つ
結露によってカビが発生するのを防ぐには、次の9つの方法が効果的です。
◉部屋の換気をこまめにし、部屋の湿気を逃がす
◉窓周りを掃除して清潔にしておく
◉室内は加湿し過ぎず適度な湿度を保つ。(50%以下)
◉家具と壁の間に5~10cm程度隙間をもうける
◉窓に断熱シートや気泡緩衝材を貼る
◉天気のよい日にカーテンを風にあてて乾燥させる
◉カーテンには除菌スプレーを、窓には結露対策スプレーを使用する
◉定期的にカーテンを洗濯、もしくはクリーニングに出す
◉断熱効果のあるミラーレースカーテンがおすすめ
結露カビによるカーテンのシミをきれいに落とす方法
カビによってカーテンについてしまったシミを落とすには、どうすればいいのでしょうか。カビには「粉っぽい緑色のカビ」と「頑固な黒カビ」の2種類あり、それぞれに応じたケアが必要です。
手順1:カビの下処理
・粉っぽい緑色のカビの場合
表面だけに付着している粉っぽい緑色のカビは、あらかじめ軽く叩き落としておきます。その際、カビの菌を散乱させてしまうと、他の場所に付着しカビを発生させてしまいます。外に持ち出して作業すれば、汚れが室内に散乱する心配はありません。
さらに、カビが再発生するリスクに備え、殺菌効果の高い消毒用エタノールで拭き取っておくこともおすすめです。
・頑固な黒カビの場合
叩き落とすことのできない根深い黒カビは、事前に「カビ抜き」の処理を行います。中性洗剤や酸素系漂白剤を染み込ませたタオルでカーテンの汚れを軽く押さえていけばOKです。ただし、色落ちが心配な生地の場合は、クリーニングに出す方が安心でしょう。
力強く拭いたり、こすったりしてしまうと、生地が損傷しかねませんので、軽くトントン叩くように溶剤を染み込ませてください。シミが小さい場合には、より細かな所まで薬剤を浸透させることができるよう、綿棒や歯ブラシを使うと作業効率が上がります。
・さらに頑固な場合
浴槽などにお湯を溜めて、つけ置きしてから洗濯するのも、なおいっそうシミ抜きの効果が期待されます。 溶剤を混ぜてつけ置きも効果が望めますが、漂白剤に長時間浸けておくと色落ちする危険性があるので、注意して様子を見るようにしてください。
手順2:洗濯機で洗う
カビの種類を問わず、シミを落とすのには塩素系漂白剤を使います。塩素系漂白剤は、カビの色素を分解・漂白する作用やカビそのものを消毒・殺菌するのに効力を発揮するからです。
<洗濯前に生地の表示をチェック!>
カーテンの洗濯表示が「洗濯機」「手洗い」「塩素系および酸素系の漂白」いずれもOKとなっている素材のみ洗濯機で洗ってください。
「水洗い不可」「ドライ」の表示があるカーテンは、自宅で洗濯せず、クリーニングに出す必要があります。水洗い不可のカーテンを洗濯機うと、色落ち、縮みの原因になります。生地が特殊な繊維で加工されているようなカーテンについては、自宅で手を加えず、クリーニング店へ相談するようにしましょう。
この記事のここがミソ!
・結露は放っておくとカビの原因になる。
・換気や掃除など、結露を起こさないための工夫が大切。
・カビてしまったカーテンは、水洗いマークがついていれば自宅で洗濯可能。
結露自体は単なる水滴であるため、すぐさま人体や環境に害を与えるわけではありません。しかし、ひとたびカビが発生すると事態は一変。家中のいたるところで増殖し、部屋を汚した上、健康に深刻な影響を及ぼします。
だからこそ「結露させない」「結露を放置しない」ことが大切です。本記事を参考に、結露やカビの問題を解決し、快適で健やかな暮らしを実現してみてくださいね。
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